人間らしい生活を求める
「わかやま生活保護裁判」
第1回口頭弁論がおこなわれました!
2015年2月13日(金)の午前10時から和歌山地方裁判所で、人間らしい生活を求める「わかやま生活保護裁判」(生存権を守るための行政処分取消等請求事件)の第1回口頭弁論がおこなわれました。
この裁判は、厚生労働省がおこなった生活保護費の切り下げに対し、生活保護受給者8人が違憲・違法な引き下げであるとして国及び和歌山市に減額取り消しを求めたものです。
この日の弁論では。原告と弁護団が意見陳述をおこないました。
原告の1人は、「世間では楽な生活だと思われているのかもしれません。しかし、実際は、決してそのようなものではありません」「冷蔵庫も電子レンジも洗濯機もテレビもありません」「お風呂は2週間に1回、病院に行く前に行く程度です」「一昨年夏、生活保護費が切り下げられ、昨年4月に二度目の引き下げがありました」「生活保護は、最後のセーフティネットと言われています」「私たち生活保護受給者の暮らしが、本当に人間らしい暮らしなのか、みていただきたいと思います」と、自らの生活の現況と思いを訴えました。
原告弁護団の由良登信弁護士は、「今回の生活保護基準の引き下げは、生活保護制度が始まって以来前例を見ない大幅な引き下げです。これまでの生活保護基準の引き下げは、2003年の0.9%、2004年の0.2%の2回だけでしたが、今回の引き下げは平均6.5%、最大10%にも及ぶ大幅な引き下げです。そして、生活保護利用者の96%が引下げ対象となり、特に子育て世帯の引き下げ幅が大きくなっています」「保護費引き下げ後の生活が憲法25条が保障する『健康で文化的な最低限度の生活』とはとうてい言えない」「生活保護基準が、わが国の社会保障の岩盤となっており、その岩盤が切り崩されることが、157万人の児童が利用している就学援助制度、現在約3100万人が対象となっている非課税基準、労働者の最低賃金額への影響など広範な影響をもたらす」とし、裁判所に公正な、道理にもとづいた審理・判断を求めました。
当日、「生存権裁判を支援するわかやまの会」のメンバーら50人を超える市民が傍聴に訪れました。
また、当日の模様は、新聞やテレビなどで報道されました。
次回(第2回)の口頭弁論は、4月21日(火)の午後1時30分から和歌山地方裁判所でおこなわれる予定です。
なお、当法律事務所の由良登信弁護士、丸山哲弁護士、本多朱里弁護士が弁護団に加わっており、また、織部利幸事務局長が「生存権裁判を支援するわかやまの会」の事務局を務めています。