当法律事務所の事務所ニュース 『けやき通り (第27号)』 を2013年10月15日に発行し、おつきあいのある皆様にお配りいたしました。
『けやき通り』 に掲載した対談内容をご紹介いたします。
【 対談 】
憲法9条を守りましょう!!
= 里﨑 正(さとざき ただし)さんをお迎えして =
今回は、 「憲法九条を守るわかやま県民の会」 の事務局長をされている里﨑正さんと山﨑和友弁護士の対談です。
県民の会は、「改憲勢力による憲法改悪の危険な動きが急速にすすむもとで、憲法と9条を守るたたかいを和歌山県下で大きく発展させるために、2004年11月3日に結成され」 (同会のHPより)、学習会や署名・宣伝行動に取り組んでいます。
山﨑弁護士は、 「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」 の3人の代表世話人の1人です。同会は、5月3日の憲法記念日に憲法9条 「改正」 に反対する統一街頭署名行動とアピール行進をおこなうなど、憲法9条を守ろうと呼びかけています。
(対談風景)
山﨑 「先の参議院選挙で、改憲を掲げる自民党が多数の議席を得ました。今、憲法9条が大きな危機にたたされているといえますね」
里崎 「そうですね。しかし、マスコミのアンケートなどをみると、景気回復は多くの国民が望んでいても、改憲を望んでいる国民は決して多いとは言えません」
山﨑 「改憲に賛成の人の中でも、自民党が変えようとしている『憲法改正草案』の内容やその危険性を知っている人は多くないと思います。 まず、世界的にも誇れる現在の憲法の素晴らしさをよく理解する必要があると思いますね」
里崎 「私も改めて憲法を読み、その内容の素晴らしさを再認識しました。 主権者である国民が国家権力を制限し、私たちの暮らしや権利を守る上でとても大切な内容が、定められていると感動しました」
(里﨑 正さん)
山﨑 「そうですね。平和の問題では、国際的な紛争・対立の真の解決は戦争や武力の行使によってはもたらされないという考えと、日本は戦争をしない国という国際的な信頼のもとで、国際的な役割を果たし、そのことによってこそ日本の平和と安全が保障されてるという確信を基礎にしています」
里崎 「署名行動をしていると、 『他国からの干渉に対抗するために軍隊は必要だと思うし、けれど、戦争はあかんわな!』 という人がおられました。私たちは憲法がどのようにして平和を築こうとしているのかをよく理解しなければならないっですね」
山﨑 「政府は、改憲手続をやりやすくするために、発議要件を引き下げ (衆参各議院において、総議員の3分の2以上を過半数に変更)ようとしている。これには、改憲に賛成する人の中でも反対の声がありますね」
(山﨑弁護士)
里崎 「本当に憲法を変える必要があるのなら、しっかりとした論議をふまえて多くの国会議員が納得をした上で提案すればよいのに、議決要件のハードルを下げようとするのは邪道と言えますよね」
山﨑 「それだけではなく、今、解釈改憲の動きも強まっていて、集団的自衛権を容認しようとしていますね。これまで長年、憲法の下では認められないというのを、政府の憲法解釈を担ってきた内閣法制局長官を、集団的自衛権を認める人物に交替させてまで、従来の解釈を変えようとしています」
里崎 「政府は、なんとしても戦争ができる国にしようとしているとしか考えられませんね」
山﨑 「それだけに、憲法を学び、守り、生かそうという世論をもっともっと大きくしなければなりませんね」
里崎 「そうですね。県民の会は、今後も、憲法の学習運動をさらに広げ、全県的な署名活動も強め、憲法を守ろうという県民の輪を大きくしていきたいと思っています」
山﨑 「共に頑張りましょう」
《 集団的自衛権とは 》
他国が武力攻撃を受けた場合、自国の実体的権利が侵されなくても、他国を援助するために武力を行使する権利。
政府は 「憲法上、行使できない」 と解釈してきた。
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